kumagaya researches no.05 発達障害者による、発達障害者のための当事者研究会
おとえもじて
2011年からスタートした発達障害者による当事者研究会で、延べ2,700名を越える当事者が、自らの経験や困りごと、生活の中での工夫などを語り、承諾が得られた語りに関しては記録しています。
おとえもじてでは「コミュニケーション障害の人」と「ふつうの人」がいるのではなく、社会モデルの視点に基づき、多くの人が共有している文化やルールにあてはまる身体的特徴を持った人たち(多数派)と、あてはまりにくい身体的特徴を持った人たち(少数派)のあいだに「コミュニケーション障害」が生じると考えています。その上で、「1人の時でも生じる困りごと」の研究と「人との関わりの中で生じるコミュニケーションの困りごと」の研究の両方を行っています。
約10年の試行錯誤の中で確立してきた、テーマに沿って一方的に自分の感覚や経験を語り、人の発言を聞き、意見のやりとりはしない「言いっぱなし聞きっぱなし」と、参加者の1人がいま抱えている困りごとについて、参加者全員で考える「かけこみ当事者研究」という2つのスタイルで研究を進めており、その実際はマニュアルや動画などで公開しています。